gallerybauhaus

高梨豊写真展
「PORTRAIT ポルトレ」


高梨豊写真

©Yutaka Takanashi

会 期 / 2010年5月25日(火)〜7月31日(土)
時 間 / 11:00〜19:00
休 廊 / 日・月・祝
入場料 / 無料

高梨豊×南伸坊対談

写真展に合わせて、高梨豊と南伸坊の対談を行います。
日 時 / 2010年6月11日(金) 19:00〜(当日は18:00閉廊)
参加費 / 2,000円
mailもしくはお電話にて要予約。
mailの際はお名前・ご住所・お電話番号を明記のうえ、送信して下さい。
*スタッフより予約確認のmailを送らせて頂きます。

終了致しました。たくさんのご参加ありがとうございました。

*お客様の個人情報を漏洩・流出させたり不正に利用したりしないよう、厳正な管理を実施しております。

高梨豊 写真を語る―『町』から『地名論』へ―

写真展に合わせて、高梨豊 写真を語る―『町』から『地名論』へ―を行います。
高梨豊がスライドを映写しながら、自作『町』から『地名論』に至る都市写真創作の過程や、その写真術について語るワークショップです。

日 時 / 2010年7月23日(金) 19:00〜(当日は18:00閉廊)
参加費 / 2,000円
mailもしくはお電話にて要予約。
mailの際はお名前・ご住所・お電話番号を明記のうえ、送信して下さい。
*スタッフより予約確認のmailを送らせて頂きます。

終了致しました。たくさんのご参加ありがとうございました。

*お客様の個人情報を漏洩・流出させたり不正に利用したりしないよう、厳正な管理を実施しております。

内容紹介


高梨豊の「都市写真」は広く知られていますが、一方でたくさんの「肖像写真」を撮影しています。
本展は雑誌等の連載で、高梨氏が長年撮り続けた著名人(作家やアーティストなど)の写真を集めた展覧会です。これらの「肖像写真」は高梨写真を語るうえで、「都市写真」と両極性をなす重要な位置づけとなるものです。
多数のヴィンテージ・プリント(撮影時にプリントされたもの)とニュー・プリント合わせて、約60点を展示。

【出展予定】 *敬称略 順不同
つげ義春 五木寛之 深沢七郎 瀧口修造 田村隆一 埴谷雄高 島尾敏雄 植草甚一 椎名誠
柳家小三冶 南伸坊 稲垣足穂 澁澤龍彦 水木しげる 吉増剛造 他、あわせて44名を展示。


高梨豊さんの肖像写真

  高梨豊さんは1960年の初の個展「SOMETHIN’ELSE」から半世紀、「東京人」「町」「都の貌」「地名論」「NOSTALGHIA」「Silver Passin’」と、都市に眼を向け続けてきた写真家である。この間に日本列島各地を旅して撮った「初國」や「WINDSCAPE」などの作品があり、そのどれもが新たな方法論を模索することに自覚的であった。方法論に対して自覚的であるのは当然のことではあるが、高梨さんのそれは作品の運命そのものを方法論に賭けているかのような覚悟と気魄である。
  これらの作品とはすこし位相を変えて、人を撮った作品の系列がある。1964年『カメラ毎日』に連載されたシリーズ「オツカレサマ」は、毎回、当代人気の歌手や俳優が登場し、その方法論の斬新さで関心を攫った肖像写真だった。以来、人を撮るシリーズにあっても、さまざまの方法論が試みられ、この間に『人像』と『面目躍如─人物写真クロニクル1964〜1989』の二冊の肖像写真集がある。
  これらの高梨さんの人物写真に特徴的なことは、独特の「間」と空間のとりかたであると思う。これを瞬間と言い換えたほうが理解を得やすいようにも思うが、いわゆる顔の表情の瞬間を捉えるというのとは違う瞬間であり、その切り取られた空間に人の生の「間」が写っているように感じられるのである。たとえば初期の肖像写真でいくつか挙げると、オリーブの木の下に奇妙な中腰で立つ瀧口修造、外光が濯ぐ花のある窓を背景に掌を広げる埴谷雄高、飛行機のタラップを上るうしろ姿の五木寛之…。書斎で額に手を当てて俯く吉本隆明、1988年のシリーズ「next」の浴衣でベッドに伏す淀川長治…。個人的に好きなのは1971年から翌年にかけて撮られた「歩く人」というシリーズであるが、写されている人物はどれもフレームの中に小さいのに、ここにも不思議な「間」がある。
  写真家はみな、生涯を通じて自らの一枚の肖像写真を結ぼうとしているのだと思うが、これらの肖像写真を見ていると、文字どおり「高梨豊の肖像」であるように感じられる。高梨さんは「人物写真は試金石」であると書いたことがあるが、けだし名言である。

                                                                                                            大島洋(写真家)

作家プロフィール


高梨豊(タカナシユタカ) 1935年 東京生まれ

1957  日本大学芸術学部写真学科卒
1961  日本デザインセンターに入社
1983  東京造形大学教授に就任

<受賞>
1967  「第5回パリ国際青年ビエンナーレ」 写真部門最高賞
1985  写真集『東京人1978-1983』 第34回日本写真協会賞年度賞
1994  写真集『初國』 第43回日本写真協会賞年度賞

主な展覧会


個展

1960  「SOMETHIN’ELSE」 銀座画廊
1978  「町」 ミノルタフォトスペース
1982  「東京人 1978−1982」 オリンパスギャラリー
1992  「初國 pre-landscape」 ミノルタフォトスペース
1996  「疾駆する写真家 高梨豊<方法論>の彼方へ、展」 ガーディアンガーデン
2009  「高梨豊 光のフィールドノート」 東京国立近代美術館
2010  「PORTRAIT ポルトレ」 gallery bauhaus 他多数

グループ展

1966  「現代写真の10人」 国立近代美術館
1967  「第5回パリ国際青年ビエンナーレ」 パリ
1974  「15人の写真家」 東京国立近代美術館
1977  「目・カメラ・現実 II人のイタリア写真家とII人の日本写真家」 イタリア文化会館 他多数

写真集・著書


『都市へ』 (1974・イザラ書房)
『町』 (1977・朝日新聞社)
『東京人1978-1983』 (1983・書肆山田)
『われらの獲物は一滴の光』 (1987・蒼洋社)
『都の貌』 (1989・IPC)
『面目躍如 人物写真クロニクル1964〜1989』 (1990・平凡社)
『初國』 (1993・平凡社)
『地名論』 (2000・毎日コミュニケーションズ)
『NOSTALGHIA ノスタルジア』 (2004・平凡社)
『囲市』 (2007・クレオ) 他多数