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gallery bauhaus 『2019 ヴェネツィア年』 Vol.2

田所美惠子写真展
VEDUTA   針穴のヴェネツィア


田所美惠子写真
                ©Mieko Tadokoro

会 期 / 2019年9月4日(水)〜11月16日(土)
時 間 / 11:00〜19:00
休 廊 / 日・月・祝
入場料 / 無料

作家在廊日:11/12(火)〜15(金) 14時〜18時、11/16(土) 11時〜18時


内容紹介


VEDUTA(ヴェドゥータ)とは、18世紀にヴェネツィアで生まれた絵画の一ジャンルで、風光明媚なヴェネツィアを精巧に描いた景観図を意味します。教養の修得を目的としたイタリアへのグランド・ツアーの最後に立ち寄るヴェネツィアで、西欧のエリートの子弟が土産として買い求めました。

VEDUTAで名を馳せた画家の一人にカナレット(本名:Giovanni Antonio Canal)がいます。
19世紀に写真が発明されたとき、「まるでカナレットの絵のようだ!」と写真の精緻な描写や光の効果に感嘆したと言われますが、彼はまさに写真を先取りしたかと思わせる画家でした。さらにその広角レンズで切り取られたような構図を目にすれば、カナレットがカメラの前身であるカメラ・オブスクラを利用したという説も十分に説得力をもちます。

私がヴェネツィアを初めて旅したのは、パリで針穴写真と出会う直前の1980年代最後の夏でした。写真誕生150周年にあたるこの年、フランスでは写真の歴史に関する様々なイベントが催され、私はそこで偶然に針穴写真を知りました。カメラ・オブスクラと同じくらいアーカイックな光学装置で、カナレットの時代とほとんど変わらぬこの町の姿を捉えたいと、その後、幾度となくヴェネツィア詣でをするようになったのは極めて自然な成り行きでした。

あれから30年、ヴェネツィアを訪れる人々の国籍は世界経済の動向を反映して大きく様変わりしても、観光都市としてのこの町の賑わいは一向に陰りが見られません。21世紀に入ってさらにバージョンアップした光学装置のおかげで、スーベニアのVEDUTAは今や自撮りの背景になり世界中でシェアされています。それでも私は以前と変わらないやり方で、栄光の残滓が染みこんだ迷宮をさまよい、VEDUTAの記憶を小さな穴から拾い続けます。
田所美惠子

モノクローム(ゼラチン・シルバー・プリント)作品47点を展示。



【ギャラリー・トーク】 開催決定!
田所美惠子 「小穴の魔法」


田所美惠子写真展にあわせたギャラリー・トークの開催が決まりました。
そもそも針穴写真とはどんなものなのか、その仕組みから空き缶を利用したカメラの制作〜実際の撮影まで、日本の針穴写真の第一人者である田所さんにくわしく解説して頂きます。
針穴写真に興味をお持ちの方、これから始めてみたいとお思いの方必聴です。その他、田所さんの10数年におよぶパリ生活の少しプライベートなお話や、今回の撮影地ヴェネツィアとの出会い、撮影エピソードなどもお話し頂きます。
針穴写真に関する質問などもお受けする時間を設けますので、カメラ初心者の方もふるってご参加ください。お待ち申し上げます。

日  時 /2019年10月19日(土) 19:00〜 (当日は18:00閉廊、18:30より受付開始)
参加費 / 2000円

終了いたしました。たくさんのご参加ありがとうございました。

mailにて要予約。
mailの際はお名前・ご住所・お電話番号を明記のうえ、送信して下さい。
後日、スタッフより予約確認のmailをお送りさせて頂きます。

*お客様の個人情報を漏洩・流出させたり不正に利用したりしないよう、厳正な管理を実施しております。



作家プロフィール


田所美惠子(たどころみえこ)

1990年 フランスに移住すると同時に針穴写真と出会い、パリを拠点に制作を始める。2004年 日本針穴写真協会を創立し2005年より会長を務める。
モノクロームのゼラチン・シルバー・プリントの作品展を国内外で展開する側ら、ワークショップや講演会を開催。写真集に「針穴のパリ」「一葉に逢いたくて」(ともに河出書房新社)、技法書に「母と子の針穴写真」(美術出版社)「針穴写真を撮る」(雄鶏社)がある。

<主な個展>
1993年 Fuji Photo Salon, Tokyo
1995年 Kodak Photo Salon, Tokyo
1998年 Le Printemps, Ginza, Tokyo
1999年 Librairie Jousseaume, Paris
2000年 Kodak Photo Salon, Tokyo
2000年 Doi Photo Plaza, Tokyo
2002年 Maison Franco-Japonaise, Tokyo
2003年 Kodak Photo Salon, Tokyo
2003年 Y’tsu Gallery, Kitakamakura
2005年 Pola Museum Annex, Tokyo
2006年 Pola Museum Annex, Tokyo
2007年 Pola Museum Annex, Tokyo
2012年 Art Chamber Gallery, Goa, India
2015年 Galerie 48, Lyon, France
2015年 Monochrome Gallery Rain, Tokyo
2016年 Monochrome Gallery Rain, Tokyo
2018年 gallery bauhaus, Tokyo
2019年 Galerie 48, Lyon, France

<主なグループ展>
1993年 Hungarian Museum of Photography “Camera Obscura”
1998年 Kodak Photo Salon, Tokyo “S&T Collection”
2000年 Bibliothéque Municipale de Lille, France 《 STÉNOPÉPHOTOGRAPHIE 》
2002年 Visionaria 2002, Sienna, Italy
2003年 Polaroid Gallery “Polaroid Pinhole Exhibition 2003”
2004年 White Room Gallery, West Hollywood, USA “Paris, Japan”
2010年 The New London Photography Festival, Paris + London
2010年 Centre Iris, Paris, France 《 Variations et Fugues en Sténopé 》
2011年 Queensland Center for Photography, Australia “Seven Japaneses Pinhole Photographers”
2014年 New Mexico History Museum, Santa Fe, USA “Poetics of Light”
2017年 National Media Museum, Bradford, UK “Poetics of Light”


Official Web Site http://www5a.biglobe.ne.jp/~m-tado/


VEDUTA
Mieko Tadokoro Photo Exhibition
4 September-16 November,2019
gallery bauhaus
2-19-14 Sotokanda, Chiyodaku, Tokyo, Japan
Access map
About 6 minutes walk from Ochanomizu station (JR line/Tokyo Metro Marunouchi line).