ロバート･フランク写真展
©Robert Frank
Part II 「Flower Is」
| 会 期 | / | 2011年9月3日(土)〜10月29日(土) |
| 時 間 | / | 11:00〜19:00 |
| 休 廊 | / | 日･月･祝 |
| 入場料 | / | 一般･学生 600円 *中学生以下は無料 |
展示内容
1987年に邑元舎より出版された『花は』―Flower Is―に収められた写真に未発表作を加えたモノクローム作品(ゼラチン･シルバー･プリント)、35点を展示。
1949〜51年にかけてパリで撮影された花をテーマにした写真と、1955年夏にデトロイトの自動車工場で撮影された写真を対照的に構成した作品群です。
ギャラリートーク第二弾新井敏記×元村和彦（邑元舎主宰）
今回はロバート・フランクの多くの写真集の出版を手がけ、フランクの写真の世界的コレクターでもある元村和彦氏（邑元舎主宰）をゲストに迎えます。
伝説の編集者として語られながら、今まであまり表舞台に出ることがなかった元村氏が、フランクの写真集出版に至る経緯や長年にわたる厚い交友関係などを語ります。
いままで知ることが出来なかった多くの真実が解き明かされる特別な一夜です。
元村氏がかつてノヴァ・スコシアのフランク宅を訪れた際の、貴重な記録映像も上映予定です。
日 時 / 2011年10 月21日(金) 19:00〜 (当日は18：00閉廊、18:30より受付開始)
参加費 / 2,000円（展示入場料含む）
終了致しました。たくさんのご参加ありがとうございました。
*お客様の個人情報を漏洩・流出させたり不正に利用したりしないよう、厳正な管理を実施しております。
©Robert Frank
Part I 「Outside My Window」
| 会 期 | / | 2011年6月2日(木)〜7月30日(土) |
| 時 間 | / | 11:00〜19:00 |
| 休 廊 | / | 日･月･祝 |
| 入場料 | / | 一般･学生 600円 *中学生以下は無料 |
内容紹介
1950〜90年代にパリ、ロンドン、デトロイト、ニューヨーク、ロサンゼルス、カナダのノヴァ･スコシア、東京などで撮影されたモノクローム作品(ゼラチン･シルバー･プリント)、21点を展示。
未発表作を含む、ロバート･フランクの多彩な写真表現の全体像が見られる展示構成となります。
*
昨年十一月のあるたそがれどき、二人の日本人がバウェリイのわたしの家のベルを鳴らした。元村和彦さんと幡谷紀夫さんの二人であるが、まったく英語を話せないためか、それとも話すことがはずかしいのか、彼らは通訳の女の子を連れてきていた。………わたしはその夜のことをとてもよく覚えている。
彼らは、わたしの写真を以前から好きであったといった。彼らは、わたしの仕事を本にして出版するについて、わたしの許可をとるためにニュー･ヨークへきたのだった。そんなことは一度もわたしにはなかったことである。わたしは感動しうれしかった。
彼らはまた、それでわたしたちの会話の一部分を録音した小さくてすばらしいテープレコーダーをわたしにくれた。そして、それが全くの新品でないことをわたしにわびたのである。二人が帰ったとき、わたしはジューンに、早速仕事にかかってそれをいい本にしてみよう、といった。
わたしにとって都合のいい時期だった。わたしはちようど、一番あたらしい映画「わたしについて…ミュージカル」を撮りおえたときだった。この夏わたしは、仕事からまったく逃れるために土地を買ってノーヴァ･スコシアへ行っていた。きれいな海を眺め、なるべく孤独でいようとしたのだった。
わたしはもう一度帰ることにしよう。そして、焼きつけられたところの記憶、すべてこれらのビルディングを、空を、人びとを見なおそう。――忘れてしまったものも覚えているものも、ともどもに………。
*訳注 ノーヴァ･スコシア カナダ南東部の大西洋に面した半島
ロバート･フランク 写真集 『私の手の詩』 (邑元舎)より 諏訪優･訳
作家プロフィール
Robert Frank(ロバート･フランク) 1924年 スイス･チューリッヒ生まれ
1942-1944 ジュネーヴ、バーゼル、チューリッヒの商業写真家たちのもとで修行する。
1944 スイスの兵役に服する。<山岳兵>
1945 チューリッヒの映画会社のスチール写真家となる。
1946 パリで写真家としての仕事を試みる。
1947 ニュー･ヨークへ渡り、A･ブロドヴィッチに雇われて雑誌『ハーパース･バザー』のファッション写真
家として働く。
1948 ペルー、ボリヴィアへ旅行。
アメリカでファッション雑誌の仕事をつづける。
1949 パリで、雑誌『ナフ』にペルーの写真を載せてくれたR･デルピールに逢う。
1950-1951 フランス、スペイン、イギリスに住み仕事をする。
1952-1954 ニュー･ヨークに帰り、ファッション写真をやめ、フリーランスの写真家としてアメリカにおける
主要な出版物の仕事をする。
1955-1956 グッゲンハイム財団奨励金を受ける。
アメリカ人についての本の制作をもくろみ、アメリカ各地を旅行。
1957 ルーイス･シルヴァースタインのもとで、「ニュー･ヨーク･タイムズ」事業開発部の仕事をする。
『カメラ』誌にゴッダード･シューの「R･フランクへの手紙」が載る。
1958 デルピール社版の『アメリカ人』がフランスとイタリアで出版される。
地方都市で友人たちと"ホーム･ムーヴィー"を制作。
1959 ニュー･ヨークでジャック･ケルアックと「わたしのヒナ菊を摘め」を制作。
1960 『アメリカ人』がアメリカで出版される。
<映画によって構成されたページを追加して、1969年に再版される>
1961 俳優を使った初めての映画「イエスの罪」を制作。
モダン･アート･ミュージアムで写真と映画の展示を行う。写真はフランクとキャラハンの作品。
1962 雑誌『ドゥ』が写真家ロバート･フランクの特集を組む。
1963 「さあ、ここでおわりだ」がベルガモ･フィルム･フェスティヴァルで一等をとる。
1965-1968 コンラッド･ルークスとともに旅行し仕事をする。
「チャパクァ」撮影。
同じ頃、初めての長篇映画「俺と俺の兄弟」を制作。
1969 ロンドンの『クリエイティヴ･カメラ』誌に毎月コラムを書く。
「ヴァーモントでの会話」がデレクシー基金の補助を受けて完成する。
ただひとつの記録映画「救命艇地球号」を制作。
1970 アメリカ･フィルム協会から、「わたしについて…ミュージカル」の制作のための補助金を授与され
る。
元村和彦氏、幡谷紀夫氏がバウェリー184番地に訪ねてくる。
1971 日本で出版される写真集と、パリ･ルーヴルで1973年3月に行われる
他の映画を制作するための基金を、ニュー･ヨーク州芸術評議会から受ける。
日本からのスーパー8ミリの新しいカメラで撮影を開始する。
1972 邑元舎から『私の手の詩』が出版される。
1974 娘のアンドレアが飛行機事故で死亡。
1975 ジューン･リーフと結婚。
1977 映画「人生は踊り続ける」の制作を開始する。
1982 ジャック･ケルアックの小説『路上』出版25周年として、映画「ジャックへの讃歌」を制作。
1983 映画「家庭の改善」制作。
1985 ドイツ写真協会からエーリッヒ･ザロモン賞。
1987 邑元舎から『花は……FLOWER IS』が出版される。
1990 ワシントン･ナショナル･ギャラリーにネガ、コンタクト･プリント、オリジナル･プリントを寄贈する。
1991 映画「最後の晩餐」制作。
1994 「Moving Out」巡廻展 ワシントン・ナショナル・ギャラリー
1995 「Moving Out」巡廻展
2月 横浜美術館
5月 チューリッヒ･クンストハウス
9月 アムステルダム･ステデリック美術館
11月 ニューヨーク･ホイットニー美術館
1996 「Moving Out」巡廻展
3月 ロサンゼルス･ラナン財団
2009 「Looking In」巡廻展
4月 ワシントン･ナショナル･ギャラリー･オブ･アート
5月 サンフランシスコ近代美術館
9月 ニューヨーク･メトロポリタン美術館
*参考資料
ロバート･フランク 写真集 『私の手の詩』 (邑元舎)
ロバート･フランク 「Moving Out」 図録 (横浜美術館)