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田村彰英写真展
「AFTERNOON 午後」


田村彰英写真

            ©Akihide Tamura

会 期 / 2010年9月3日(金)〜10月30日(土)
時 間 / 11:00〜19:00
休 廊 / 日・月・祝
入場料 / 無料

ギャラリートーク
   田村彰英×町口覚×町口景鼎談 司会:上野修


写真展に合わせて、田村彰英と『AFTERNOON』のブックデザインを手がけた(株)マッチアンドカンパニーの町口覚(さとし)、町口景(ひかり)の鼎談を行います。
数多くの写真集のデザイン、出版を手がけ、今最も注目されているブックデザイナーである町口兄弟を迎え、写真集づくりの現場からの熱い声をお届けします。
写真集の出版を考えている写真家の方々、必聴です!

日 時 / 2010年9月17日(金) 19:00〜(当日は18:00閉廊)
参加費 / 2,000円
mailもしくはお電話にて要予約。
mailの際はお名前・ご住所・お電話番号を明記のうえ、送信して下さい。
*スタッフより予約確認のmailを送らせて頂きます。

終了致しました。たくさんのご参加ありがとうございました。

*お客様の個人情報を漏洩・流出させたり不正に利用したりしないよう、厳正な管理を実施しております。

内容紹介


田村が1969〜1989年にかけて撮影した変わり行く都市の風景写真。
ミノルタ・オートコードにトライXを詰めて、6×6の正方形のフォーマットに拘りつつ、都市の変貌を鮮烈に捉えた作品です。
同タイトルの写真集『AFTERNOON』が、2009年に(株)マッチアンドカンパニーより出版されています。
モノクローム作品(ゼラチン・シルバー・プリント)、約35点を展示。


田村彰英「AFTERNOON 午後」

  田村彰英の写真が、言葉を限りなく遠ざけているように見えながら、これほど多くの言葉を誘っているのは何故なのだろうか。写真機が向けられているものと、写真機が向けられているものが定着された画像との重なりと隔たり――沈黙する画面と見る者のあいだで、かつてないほどに見えるものと見ること/語ることが交錯する。

  かつて、日本現代写真における天才といえば、たったひとりの写真家を指したものだった。
  その写真家とは、田村彰英である。
  写真でしかできない表現、写真としての写真が模索された1970年代、情念的にではなく、観念的にでもなく、まったく違ったアプローチで、いきなり直観的にそれを浮かび上がらせたのが田村だった。
  70年代、写真は言葉と対立的にとらえられていた。写真としての写真とは、言葉にできない表現と同義だった。田村の作品もまた、たしかに言葉できない表現だが、言葉と対立しているわけではない。むしろそれは、言葉が生成する瞬間の無意識のざわめきを喚起するような官能性を内在させたものだったのだ。
  写真を見、何かを語ろうとして、その言葉をのみこむような感触。ナイーブに言葉に対立するのではなく、言葉を超えた向こう側からの感受性。こうした感受性へと一気に写真を転回させた輝きは、まさに天才と呼ぶほかない。

                                                                                                       上野修(写真評論家)

作家プロフィール


田村彰英(タムラアキヒデ) 1947年 東京生まれ

1968  東京綜合写真専門学校研究科卒

<受賞>
1984  日本写真協会新人賞

<主なコレクション>
ニューヨーク近代美術館, 東京国立近代美術館, 東京都写真美術館, 川崎市市民ミュージアム, 山口県立美術館

主な展覧会


1974  「NEW・JAPANESE・PHOTOGRAPHY」 「家」出展 ニューヨーク近代美術館
        「15人の写真家」 「午後」「BASE」出展 東京国立近代美術館
1977  「NEUE・FOTOGAFIE・AUS・JAPAN」 「午後」「BASE」出展 オストリー・グラーツ市立美術館
1981  個展 「黒澤明」 NEWYORK・JAPAN・SOCIETY
1982  個展 「田村彰英の世界」 ツアイト・フォト・サロン
1989  「11人の1965〜1975」 「家」「道」出展 山口県立美術館
1991  「日本の写真1970年代」 「家」出展 東京都写真美術館
1994  個展 「田村彰英展」 「家」「道」「BASE」「午後」「湾岸」出展 川崎市市民ミュージアム
2004  個展 「街が生まれる・仙川」 東京アート・ミュージアム
2006  「午後」展示 東京国立近代美術館3F 写真展示室にて
2007  「家」展示 東京国立近代美術館2F 近代日本の美術にて
        「家」展示 東京都写真美術館
        個展 「BASE」 gallery bauhaus
        「仙川・街が生まれる」 安藤忠雄監修 東京アート・ミュージアム
2008  「The Collection」 出展 gallery bauhaus
2009  「BASE」展示 東京国立近代美術館2F 近代日本の美術にて
2010  「銀塩」展 「黄昏の光」出展 東京アート・ミュージアム
        個展 「AFTERNOON 午後」 gallery bauhaus 他多数

写真集・著書


『Tamura Photographs』 (1983・LE MARS)
『黒澤明』 (1991・NTT出版)
『BASE』 (1992・Mole)
『AFTERNOON』 (2009・マッチアンドカンパニー) 他多数