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山下誠一写真展
「水の呼吸」


山下誠一写真

                         ©Seiichi Yamashita

会 期 / 2008年9月9日(火)〜10月25日(土)
時 間 / 11:00〜19:00
休 廊 / 日・月・祝
入場料 / 無料

山下誠一×小林宗正対談

写真展に合わせて、山下誠一と小林宗正の対談を行います。
広告の分野で活躍する傍ら、デジタル写真研究会「アダムス」の運営委員を務める小林宗正氏を対談のパートナーにお迎えし、和紙へのデジタル・プリントの可能性についてお2人にたっぷりと語って頂きます。

日 時 / 2008年9月19日(金) 19:00〜(当日は18:00閉廊)
参加費 / 2,000円
mailもしくはお電話にて要予約。 mailの際はお名前・ご住所・お電話番号を明記のうえ、送信して下さい。
*スタッフより予約確認のmailを送らせて頂きます。

終了致しました。たくさんのご参加ありがとうございました。

*お客様の個人情報を漏洩・流出させたり不正に利用したりしないよう、厳正な管理を実施しております。

内容紹介


デジタルカメラで撮影した国内外の風景を、特製手漉き和紙を使った独特のプリントで表現する写真家・山下誠一。
その独創的な表現に、アメリカのアンセル・アダムスギャラリーの館長ジーン・アダムス氏も多大な関心を寄せ、自身のギャラリーで所蔵しています。
本展では、日本とアメリカで撮影されたものの中から"水"をテーマに選び抜かれたカラー作品、約25点を展示。


水の呼吸によせて
                                                                                                                   山下誠一

  2002年5月、写真仲間とアメリカのヨセミテ国立公園に行った際、途中でBridge portという小さな田舎町に泊まった。人口数百人という小さな町で、歩いても1時間もかからずに1周できた。カリフォルニアの乾燥した強い日差しが生み出す色彩に感動し、町中を1人で4×5のカメラを担ぎながら、被写体を探していた。そのとき、今でもはっきり覚えているのだが、日本の湿った大気を鮮明に思い出した。そしてなぜか、日本の空気の色を理解できたような気がした。
  和紙に写真をプリントするとき、いつもその発色と質感に驚かされる。そこにはBridge portの光を見ながら、日本の大気を思い出したときのことがリンクされる。湿度というフィルターを通した日本の色を表現したい。手漉き和紙の発色を見たとき、それが出来るのではないかと思った。
  花、草、木、森、水に雨、霧、雪というフィルターを加えて撮影をくりかえす。私の写真術においては、和紙への色再現が最大の課題となる。オリジナルな発色を得るにはどうしたら良いのか。何十枚、何百枚とプリントすることで和紙の発色を自身に体感させ、試行錯誤した。
  私の写真を見て「風が見えるみたい」といってくれた人がいた。アメリカ・ヨセミテと日本の大気を、五感を研ぎ澄まし写真に定着させたい。そして見えない空気感を感じてもらえれば幸いです。

作家プロフィール


山下誠一(ヤマシタセイイチ) 1951年 東京生まれ

大学在学中に林道測量のアルバイトで山間僻地を歩き回る。
南アルプス・鈴鹿山脈・朝日連峰・尾鷲・尾瀬と山奥の生活に魅せられ、数年を過ごす。
26才のときに西欧・東欧を経て、トルコ・シリア・レバノン・イラン・アフガニスタン・パキスタン・インド・ネパールを自家用車で旅する。
1981年に業界誌の写真部に入社し、インテリア写真を手がける。
1999年に退社後、フリーに。
デジタル写真と出会い、写真がピエゾグラフという技法によって、印画紙だけではなく画材用紙・水彩紙・和紙・布など、さまざまなものにプリントできることを知る。
2006年、アメリカのヨセミテ国立公園を現地のカメラマンと交流しながら撮影旅行。その際、和紙の作品がアンセルアダムス・ギャラリーの館長ジーン・アダムス氏の気に入り、数十点を置いてもらうこととなったのをきっかけに、和紙による作品づくりに火がつく。
帰国後、さまざまなオリジナルプリント・プロファイルを作成、和紙プリントをくりかえす。
三重県伊勢市大豊和紙工業の中北喜得氏、島根県出雲市の安部信一郎氏を訪ね、写真プリント用の和紙制作の協力を得て現在に至る。